大谷翔平は2016年に大きな躍進を果たしました。最速記録の更新、打者として20本塁打以上も本塁打を放つなどファンの度肝を抜く活躍を幾度となく披露しました。
そして、2016年は打率.322と見事な成績を残し、一時期は認定首位打者の可能性が囁かれるほどの活躍を見せていました。大谷翔平が記録したこの打率.322という数字は見事です。
この打率という点に注目して大谷翔平のバッティングの特徴を分析してみます。
まず、この大谷翔平の打率が実現された要因ですが、「早いカウントから甘い球を確実に仕留める」という打撃が実現できていたという所が非常に大きいと思います。
カウント別で大谷翔平の打撃を振り返ってみると、カウント0-0の状況では46打数22安打で驚異の打率.478を記録しています。
それだけでなく0-1で打率.400、0-2で打率.714と、早いカウントで確実に仕留めています。
相手投手がカウントを悪くしたところストライクを取りに来た時に仕留めるという投手からすれば非常にやっかいな打撃を披露していました。
他にも1ストライク後もカウント別で打率.400を超えていることが多いです。
目次
早いカウントをたたく傾向
比較的早いカウントから勝負を仕掛けるタイプという特徴が一つ見えてきます。
早いカウントの打撃と比較すると2ストライクを奪われてからの打率は低めになっていますが、これは多くの打者が同じ傾向なので特徴とは言えなさそうです。
大谷翔平は2016年に打率を大きく上げるだけでなく、逆方向へ特大のアーチを放つ機会が増えたのも特徴的なシーンであると言えますが、この打球方向については意外な傾向が見えてきました。
本塁打はレフト方向が10本と打球別の本塁打数では一番多いのですが、意外なことに逆方向への打球については155打数で31安打と打率.200しか記録出来ていなかったのです。
その反面引っ張ってライト方向に打球が飛んだときは58打数39安打で打率.672を記録していました。正確性という点で考えるとライト方向がやはり一番高いようです。
打球を飛ばすポイントについてはレフト方向に何かツボを掴んだのかもしれませんが、確実性にはやや欠ける結果となっていたようです。
この辺りにはまだまだ進化の可能性を秘めているとも言えそうです。
課題も残っている大谷翔平の打撃
かなりの好成績を大谷翔平は残しましたが、まだまだ飛躍の可能性がある要素が残っているというのは改めて驚異的であると感ます。
そして、最後に大谷翔平の特徴ですが左打者ながらに左投手を全く苦にしていないという特徴も見えてきました。
右投手と対戦した時の打率が.301なのに対して、左投手と対戦した時の打率が.362、出塁率は驚異の.474を記録していました。左投手を苦手とする左打者は非常に多いです。
しかし、大谷翔平の場合はその中でも左投手を全く苦手としていないというのが打撃の特徴と言えるのかも知れません。
打率が高い打者と言えばやはり、バットコントロールが正確な打者というイメージを持つ方も多いと思います。
やはり相手投手も打たれないように工夫をしながら投球しているため、バットコントロールだけでハイアベレージを実現するということは難しい。
打てる球を確実に仕留める技術というのがやはり重要になってきます。
そういった点もバットコントロールによるものと言えるかもしれませんが、早いカウントから「打てる」と判断して勝負を仕掛ける決断ができるということも打者として重要な要素になります。
大谷翔平の打率の高さの秘密を分析する中で改めて感じさせられました。
まだまだ大谷翔平は進化の可能性も残しているということも同時に見えてきたので、メジャーリーグの世界でも二刀流に挑戦できるのか注目したいと思います。
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